成長の評価と低身長

うちの子の成長は?

こどもの成長を見守るには、乳幼児健診や学校健診の記録を確認したり、身長計を利用することができますが、成長の経過や度合いが目で見てわかりやすいのは、成長曲線です。成長曲線は、年齢ごとに身長の値をグラフ上に点で記入し、それをつなげることで描かれる曲線です。あらかじめ、グラフに印刷されている平均身長の線とどれだけ離れているか(標準偏差:SD)によって、平均よりも身長が高いか、低いかを判断することができます。たとえば、-2SDは同性・同年齢の子が100人いたら、低いほうから2~3番目くらいにあたります。
お子さんの成長を正しく把握するために、一度、成長曲線を描いてみるとよいでしょう。
成長曲線は、母子手帳に付いていますが、webやかかりつけの医師に相談して手に入れることも可能です。

成長曲線

低身長の目安

同性・同年齢の平均身長に比べて身長が極端に低い(成長曲線上の-2SDより下にある)場合、医学的に低身長と定義しています。このほか伸びる速度が標準よりも遅く、成長曲線の元のラインから離れていく場合、低身長になっていなくても病気が潜んでいることがあります。低身長にはさまざまな原因があり、必ずしも治療が必要とは限りませんが、お子さんの低身長が気になる場合や成長率が低下する場合は、「受診の目安」を参考にかかりつけの医師にご相談ください。

受診の目安 …1 -2SD未満 2 年間の伸びが小学校低学年では4cm以下

性別年月齢別標準身長の-2.0SD値を調べよう
0歳~5歳のお子さん
6歳~11歳のお子さん
12歳~17歳のお子さん

※ 伊藤善也 加藤則子 立花克彦 藤枝憲二.小児慢性特定疾患治療研究事業において採用された身長基準に準拠した2000年度版「標準身長表」および「標準成長曲線」,小児科診療.2005年 第68巻

どうして成長障害になるの?

成長障害には、以下のようなさまざまな原因があります。成長障害の多くは、病気以外の原因によるものと考えられ、原因が分からないことも少なくありません。しかし、原因に よっては、治療することで身長の伸びを改善することができるだけでなく、まれに低身長がきっかけで病院を受診し、病気が見つかることもあります。日々のこどもの成長を見守り、気がかりなことがあるときは、かかりつけの医師に相談しましょう。

特発性

低身長の原因が特定されないケース。

家族性

ご両親の身長や体格と体質が似ているケース。

小さく生まれた場合

在胎期間に相当する標準より小さく生まれて、2~3歳までに標準の成長に追いつかないケース。(SGA性低身長症)

栄養

極端に食が細い、栄養のバランスが崩れているケース。生活環境の変化で、こどもがひとりで食事をする機会が増え、栄養面が見過ごされていることがあります。

心の問題

家族の愛情をこどもが感じられない、いじめなどが原因となるケース。家族からの愛情を十分に感じられずに育ったこどもに、身長が低い、全身に力が入らないなどの身体的な症状のほか、物事に関心を示さないなど精神的な症状もみられます。

ホルモンの不足

成長に関係するホルモンが不足しているケース。ホルモンの不足は、脳の病気・ケガ、小児がんの放射線治療などが原因となることもあります。
(成長ホルモン分泌不全性低身長症、甲状腺ホルモン低下症)

染色体

成長に関する遺伝情報を含む染色体の数や形が変化しているケース。
(女の子のターナー症候群、このほかプラダーウィリー症候群など)

骨の病気

軟骨異栄養症(軟骨無形成症、軟骨低形成症)など先天性の骨の病気が原因となっているケース。

内臓の病気

心臓、肝臓、腎臓などの病気が直接の原因となっているケース。

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