治療前にはどんな検査をするの?

最初の受診では何をするの?

生まれたときの状態やその後の発育状態、今までにかかった病気、両親の身長や思春期の時期などについて聞く、問診をおこないます。これらは、低身長の原因を調べるために必要な情報です。正確に伝えられるように、母子手帳や学校健診で発行される発育の記録を持っていくと良いでしょう。同時に身体測定や一般的な診察によって、お子さんの体格、健康状態、栄養状態などを判断したり、隠れた病気がないかどうか判断したりします。思春期年齢に近い場合には、二次性徴(女の子の場合には乳房、恥毛、男の子の場合には睾丸、恥毛)のあらわれ方も観察します。

どんな検査をするの?

問診、診察とともにお子さんの成長の評価をおこなったうえで、必要に応じてさらに詳しい検査をうけることになります。専門医の判断で、必要な検査やおこなう時期を決めます。必ずしも、全ての検査をおこなうわけではありません。

手のレントゲン

手の骨から骨の年齢を調べ、骨が実際の年齢に見合った成長をしているかどうかを確かめます。こどもの手のレントゲン写真で、骨の端のほう(骨端と骨幹の間)にすきま(骨端線)が見えればまだ身長が伸びる余地があると考えられますが、このすきまがなければ、成長は止まったと考えられます。

手のレントゲン説明図

血液・尿検査

血液やおしっこを調べることで、腎臓や肝臓、糖尿病などの病気がかくれていないかなどの健康状態を知ることができます。また、朝一番のおしっこに含まれる成長ホルモンの量をはかることで、寝ている間に成長ホルモンが十分に分泌されていたかどうかを調べることもあります。血液からは、成長に影響をあたえるホルモンであるIGF-I(ソマトメジンC)、性腺刺激ホルモン、甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの量を調べることもできます。

成長ホルモン分泌刺激試験

成長ホルモンの分泌を促すお薬を投与した後、一定時間ごとに数回血液をとって、成長ホルモンを分泌する力がどれくらいあるかを確かめます。成長ホルモンは昼間よりも夜にたくさん分泌されます。本来、成長ホルモンは眠りについて1~2時間後から、眠りの深さにあわせて、たくさん分泌されたり、少なくなったりを何度か繰り返し、波のようなリズムで分泌されます。このため、昼間に1回だけ採血をして成長ホルモンを測定しても、成長ホルモンがしっかりと出ているのか判断することができないので、このような検査をおこないます。

全身のレントゲン

骨の病気が原因である可能性が考えられる場合、全身のレントゲン写真をとることがあります。

染色体検査

染色体が原因の低身長である可能性が考えられる場合におこないます。

頭部MRI検査

成長ホルモンを分泌する脳の下垂体やその近くに問題がないか、MRIという頭のなかの様子を撮影できる機械で調べます。

すぐに治療できるの?

成長ホルモン治療ができると診断されたら、成長ホルモン治療の方法、効果や安全性、医療費、開始までの手続きなどの説明をうけます。ご家族とお子さんが十分に納得ができたら、治療を始め ます。また、医師の判断やご家族との話し合いのうえ、すぐに治療はせず経過を観察する場合もあります。

血液検査 成長ホルモン分泌刺激検査 手のレントゲン 頭部MRI検査
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